小島プレス工業

■背景

小島プレス工業社は、平成20年に情報連携の基盤になる「共通EDI基盤(GREEN-EDI)」を構築した。また、平成25年度で「金融EDI連携を考慮した国際EDI標準の中小企業への活用に関する実証実験」を実施した。この結果は、日本銀行のホームページにも公開された。

■中小企業の実態

金融EDI(請求差異調査)
中小企業において「不効率な事務処理」や、「金流の停滞」が発生している。
多くの中小企業において、パソコンは社員1台無く、伝票の山の中で事務作業をしている。
多くの中小企業は、手書き伝票を利用している。そして、仕入先にFAX依頼している。
請求差異調査は、発注側からの指示により、受注側が多くの工数を掛けて差異の調査を実施している。

■「金融EDI連携」実証実験の目的

金融同日支払
中小企業は、「品物」を納入しても「支払」が数か月後になり、資金繰りに苦労している。また、金融機関は一般的に不動産(土地など)を担保に融資を行うが、「金融EDI連携」することにより、EDIの「受発注情報」が「動産担保」となり、中小企業への融資も可能になる。

■これまでの「金融EDI連携」実証実験の経緯

小島プレス工業社は2010年から「金融EDI連携」実現の実証実験を行ってきた。

  • 実証実験①<2010年12月~2011年2月>:「同日検収」、「同日支払」の実証実験を実施した。
  • 実証実験②<2011年4月~2011年8月> : XML電文「取引関連情報(EDI情報140桁)」の実証実験を実施した。
  • 実証実験③<2012年7月~2013年3月>   : グローバルサプライチェーンに対応した「国際EDI標準(国連CEFACT)」の中小企業への活用に関する実証実験」を実施した。
  • 実証実験④<2013年6月~2014年3月> :「金融EDI連携を考慮した国際EDI標準の中小企業への活用に関する実証実験」を実施した。特に、でんさいネットとの連携に必要な「依頼人Ref.NO40桁」を定義した。

■2014年度の「金融EDI連携」実証実験について

金融EDI全体像
実証実験には、企業8社と金融機関4行庫(三菱東京UFJ銀行、名古屋銀行、岡崎信用金庫、豊田信用金庫)が参加した。この企業8社には、実験用としての銀行口座を新たに開設した。
振込企業(発注先)は、XML/ISO20022のフォーマットで変換ASPにデータ送信している。
変換ASPは、企業から送信されたEDI情報の送金部分を全銀フォーマットに変換し、全銀協EDI標準の20桁部分にキー情報を付加することで、送金では使われないEDI情報をカットして、ASP内明細情報として格納する。
全銀システムを通じて、口座への資金振り込みがされた後、受取企業(受注先)の取引金融機関と受取企業との間にある変換ASPが、ASP内に保管された明細情報をキー情報から復元し、XML/ISO20022のフォーマットに戻したうえで、受取企業へ送信する。
日銀2

■実証実験で分かったこと

  • 「金融EDI連携」が実現すると、中堅クラスの経理担当者は、チェック負担が解消され、経理部署の仕事がなくなる。
  • 発注側(大企業)では支払業務にマンパワーを割いておらず、専ら受注側(中小企業)に差異照合などの事務負担が片寄られている。金融EDI連携は中小企業にとって大きなメリットがあるが、大企業にはほとんどメリットがない。
  • 消費税集計方法(個別計算、集計後計算)の違いから金額差異が発生している。各社で消費税集計方法の統一を図ることが必要となる
  • 金融機関のメリットの検討が残されている。今後POファイナンスなどを、金融EDI連携に組み込んでいく必要がある。
  • 日銀HP掲載資料のダウンロード

■今後の進め方

金融EDI連携のインダストリー4.0
EDI情報を使って「経理を変える」ことも考えたい。「ものづくり」は「分・秒単位」で進められているが、経理の世界では、「月単位」で仕事が進められている。また、「次世代モノづくり」実現に向けた新たなビジョンとなる「インダストリー4.0(第4次産業革命)」が注目されている。そこで「インダストリー4.0」などの基盤を「ビジネスプラットフォーム(企業間情報連携基盤)」として検討する。